一村さんへの手紙 2015年9月

 私は絵に興味があり,この美術館に来たわけでは
ありませんが「ひまわり」の絵はとても立ち止まり見てしまう
魅力がありました。独特なタッチで絵に詳しいわけでは
ありませんが,とても心打たれました。
 また機会があれば,訪れたいと思います。
 他の絵にも,とても考えさせられるものがあり,
20代でこのような場所に来る機会があまりない中で
このような場所に訪れ,新しい考えとめぐり会えたことと
とても嬉しく思います。
 初めまして。
 もし,ご生前に奄美での作品群を世に発表しようという話があったら
一村さんは「本道の絵が描けるまでは…」と断ったでしょうか。
 それとも,作品展は開かれて,国内外からの大絶賛を一身に集めて,
一躍,大画家としての名声をほしいままにしたでしょうか。
 事実はそうならなかった。ご自分の作品が今これだけ愛されていることを
ご存じないまま,天国へ逝かれました。
 南国の植物や生き物たちが鮮やかな色彩で細部まで
描きこまれて,こんなにも生き生きとしているのに,
ふと寂しさも感じてしまいます。
 そういう哀しさも,また胸にひびきます。
 8~9年前一村さんの絵を見て,奄美大島に
いつか来たいと思っておりました。
 なぜ,奄美大島で絵を描くことになったのでしょうか。
 またいつか,この地に来る事が出来たら,
ぜひ,来たい場所の一つになりました。
 奄美の旅行の最後に来館しました。
 特に目的なく来てしまったのですが,
一村さんの絵にとても心惹かれました。
 ありがとうございました。
 水墨画を少し描いていますが,
一村の力強い線に圧倒されます。
 初めてお名前を知ったのは,NHKの日曜美術館。
 絵は当然のことながら,奄美にこられ,染めの仕事をして
資金をため描く,その連続で描き続けたこと。白いシャツ一枚で
暮らす,畑を耕す姿。何とも胸に響くものがあったのです。
 東山魁夷等と学びながらも別の道を選んだ決断。生活の背景を
少し知り,納得しています。自分に忠実に生きることの当たり前さと
難しさを改めて考えさせられます。
 大きな花,濃いあか,きいろ,みどりはあくまでも
透明かつ,あたたかみに満ちています。
 目の前で,一村にお会いできました。ありがとうございます。