一村さんへの手紙 2019年11月

何度もあまみには来ていますが、初めてこちらを訪れました。
あふれる色彩は、この地を見ているととても感じられます。
今でもそうなのだから、一村さんがおられた頃は、植物がもっとバクハツ的に美しかったのでしょうね。
誰も居ない…運が良く一村さんを独り占めした気持ちでいっぱい。
なぜかあなたの人生、生きている間に少しでも美味しいものといっぱい絵を描く場所、環境でゆっくり絵を描いてほしかったと思うばかりです。
静かな中で対面して、感動でした。すてきな建物でもっともっと世界中に!!
初めての一人旅でハッピーな出会い。また来ます。
12年前、諏訪湖のほとりの美術館でたくさんの作品に出会って以来、いくつかの美術館での作品展を訪れてきました。
やっと奄美にたどりつきました。旅の第一の目的なので、到着した日と帰る本日と二度会いに参りました。
鮮やかな色彩でありながら、静けさが漂う奄美時代の数々の画は、いつまでも見ていたくなります。
幼い頃から絵に親しみ、才能がめざましい一村さん。
ご家族の不幸など不遇の境遇だったと思いますが、生涯絵に向き合っていただいたおかげで、今日、私達はすばらしい絵と巡り会うことができ幸せです。
ご冥福をお祈りして現世に居る私達は、あなたの絵で自然に感謝する気持ちを忘れないように生きようと思います。
念願の「田中一村記念美術館」に、今ここにたっていると思うと夢のようです。
80才に数ヶ月でなろうとしている私を、ここまで連れてきて下さった娘夫婦にまず感謝です。
自分の才能を模索しつつ、ついに素晴らしい境地にたどりついた絵。
力強さと繊細さの中に人々を感動させる心がこもっています。
どの作品も、その時は一村先生がどんな思いでお書きになったかと思うと泣きそうです。
ありがとうございました。