一村さんへの手紙 2017年10月

ここに来る前にあなたの伝記を読んで途方にくれました。
絵を描く人の幸せって何だろうと思いました。
私も日本画を描いています。人からの評価とか、自分の満足とか一体何を基準に、
何を良しとして絵を描くのだろうか。そんなことで、もやもや悩んでいたのですが。
あなたの奄美の絵は、あなたにしか描けない絵だなぁ、と思いながら見ていました。
自分で見つけ出した題材を、自分の納得いくまで描ききった絵は強いなと感じます。
私も、私にしか描けない絵を描きたいです。
大切なヒントを頂きました。ありがとうございました。
一村さんの絵、清い生き方にすごく惹かれ忘れられなくて今年は2回目です。
信念を通され、一途に絵を描かれる生き方は、もはや画家と哲学者の姿に私には映ります。
日本にこんなすばらしい人がおられたと言うことはとても嬉しいです。
とても尊敬しています。又、会いたい!
数年前、何かの雑誌で見かけた「絵」と「田中一村」という名が忘れられずにいました。
3年前、老後の楽しみにと幼稚園生並みながら絵を習いに行き始めました。
何かの話の途中で「田中一村」という名が出て、先生に尋ねたら奥から画集を取り出し
「私も行きました。良かったですよ、是非観に行かれることをお勧めします。」といわれ、
意を決めました。同伴者を募りましたが、「遠方故」とか「感心がね~」とか。結局一人で
来ることになりましたが、東京では考えられないような静かな雰囲気の中で心ゆくまで堪能
できました。出発直前「一緒に行きたかった」という人が現れました。帰ったら強くこの
南国の空気と絵をPRします。一人でも多くの人に見てもらいたい!!
生きている時にお目にかかりたかったですね。
でも、本日は絵を通して話しかけることができました。
代表作と若い時の絵の雰囲気が違っているのは予想外でした。
又、時間を見つけてゆっくりまいりたいと思います。一巡してよく観ると、洋画のようで
日本画ですね。奄美を上手くとらえているように感じます。
一村さんの作品に会いたくて奄美までやって来ました。
その迫力、美しさにただただ圧倒されるばかりです。
一村さんの生き方に思いをはせるには、やはりこの地にやってくるしかないように
思えます。ありがとうございました。