一村さんへの手紙 2017年12月

ここへ来て初めて一村さんの作品を拝見しました。
私も絵を描きますが、他の人の作品を見ると自分も真似したくなります。
何を使ってどのように塗ったのか知りたくなります。
でも一村さんのはどう見ても真似できません。葉や茎のずっしりとした感じから
枯れ薄れた感じ、真似できません。すごい、一村さん。
初めて奄美に来ました。旅の最後の日にここにやって来ました。今回の旅では、
一村さんの本物の絵に会うことを楽しみにしていました。
私自身も触れた奄美の美しさ!一村さんの絵は奄美の自然の命と一村さんの命が共鳴しています。
私はその高揚に心臓の鼓動が高鳴ります。極貧の生活の中で、こうして命が輝くとは!
一村さんが人生の集大成として描いた絵はものすごい髙みにあって輝いています。
また、奄美に来ますね。ありがとうございました。
一昨日奄美に初めて来ました。田中一村の画集がいつも寝ている枕元に飾ってあります。
ずっと奄美の一村さんの家に行ったり、自然を見てみたいと思って今回実現しました。
昨日はマングローブで川下り、絵の中にある植物たちを見て来ました。
今日は朝早くから一村さんのお家へ行って板がついてある壁の古い釘を見たり、裏庭を見たりしていると
何か気配があり、昔小さなガジュマルだったのがこんなに大きくなったと一村さんが出てきて説明して
くれているような気がしました。玄関から戸が少しだけ開いていて、「一村さん群馬から来ましたよ~」と
言ったのですが、その後すぐにボタッと足元に何か落ちてきたのは黄色の枯れ葉でした。
一村さんありがとう。お土産に持って帰りますよ。
美術館を訪れ、田中一村という人物を初めて知りました。
小さいときから素晴らしい才能を発揮されていてすごいと思いました。
没後40年の年に美術館を訪れたことは、きっと忘れないと思います。
東京にあなたの絵が初めて来た時、拝見しました。キダチチョウセンアサガオとアカショウビンが描かれた
絵の前から立ち去ることが切なくて、絵に心を奪われたまま永い時間がたってしまいました。
絵を観るためだけに奄美大島へ行く、そんな贅沢をする余裕がずっとありませんでした。でも、航空路線が
増えて貯まったマイルポイントで行くことが出来るようになり、くじでスーツケースが当たり、この時期
娘が同行できて、自分も仕事を休むことができて、全てが貴方の絵を見に行く方向で進みました。
まるで、見に行く運命であったかのように。
今、貴方の絵を目の前にしてこの手紙を書いています。貴方が美しいと感じたヘゴやクワズイモ、タニワタリ
私も見て来ました。植物を美しく思う気持ちだけは共有できていると思います。
かなり後になるかもしれませんが、また来ます。ではそれまで。