一村さんへの手紙 2016年3月

  私は今回初めて奄美大島に来ました。
家族に勧められて田中一村記念美術館に来て驚かされました。
素晴らしいものばかりでした。
機会があればまた来たいです。
 一村さんの絵に出会って初めて、絵の世界、絵とつながる
感覚を持ちました。心でただ感じるという体験がずっと忘れられず、
今日、やっと奄美で再会できました。
 20年以上前は、ただその美しさと一村さんの絵から感じる“風”に
興奮しただけでしたが、今日は胸がしめつけられるような孤独と
一筆にかけられた一村さんの生命、そして鮮烈な優しさを感じました。
 人や世界を愛して、孤独ということを想像してみました。そして、
一村さんの魂が生きてこうして色んな人に受け継がれていること、
生命が繋がっていることを実感しました。
 人が生きるというのは、その人の世界が誰かと共有されていく
ということなのかもしれないですね。
 またお会いできてよかったです。
 そして、またお目にかかりたいです。
 迷いの中でもがいている私にとって、
自らの道、本道への強い意志を持ち続けた一村さんと出会い
一村さんの絵の中で、ひとときを過ごせたことに感謝しています。
前略 一村様
 以前NHKで知り、千葉の美術館にて絵を見て鳥肌が立ちました。
魂の込められた迫力に感動です。
 ここには以前から来たかったのですが、今回念願がかないました。
 昨日は自転車にて、ついの住家を見て参りました。
自然に囲まれて小川のせせらぎもいい音でした。
 自分の描きたいものに集中できる場所のように思いました。
 この美術館はとても素晴らしいので、住家も補修して欲しいものです。
また来ます。