一村さんへの手紙 2014年8月

僕は「八重ひまわり」という絵を見て,花や止まっているいるとんぼが
いきいきとかいてあり,今にも動きそうだと思いました。
僕もこんな絵をかけるようになります。
自然と一体化し,そこから自然を越えた世界を見いだした眼力,
圧倒されるばかりです。
己を捨て,純な己の世界を見いだす力はどこから湧いてくるもの
でしょうか。
私自身が置かれた環境の中で,己の歩む姿を探しています。
もっと自然を知りたい道法自然の境地に至ることが,
大切なんでしょうね。
一村さん。
やっとあなたの絵に巡り会えました。奄美の自然に触れた今,
あなたの描いた絵と自分の感性の“反応”を楽しみにしています。
去年,旅行の帰りに奄美空港でポストカードを見て,初めて一村さんの
事を知りました。
今年必ず美術館に寄ろうと思っていたので,来ることができて,
そして実際に見れて,とてもうれしいです。
奄美の自然はとても素晴らしいです。いつまでも変わらず
一村さんが見たまま残って欲しいです。
 この絵を全部一村さんがかいたなんて,すごい人だなと思いました。
 こんな絵をかくなんて,ぼくにはぜったいできません。
一村さんに会いたくて,去年に続いてまた来ました。このような言い方は
失礼とは思いますが,アンリ・ルソーさんのような印象の画家という
だけで,来館させてもらうまでは詳しい事は知りませんでした。
昭和33年といえば,私が高校を卒業する年で,東京タワーのできた
年ですよね。日本は戦後,目を見張るような復興をなしとげていく訳
ですが,一村さんは古き良き日本が消えていく事を予感されていたの
でしょうね。それが奄美という自然豊かな所への移住を決心されたのでは
ありませんか?
私は日頃,焼酎は飲まないのですが,一村さんの描かれた絵のラベルの
焼酎だけは愛飲しています。また,会いに来させてもらいます。